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星の島で恋をした【完結】
第15章 《十五》

少し重みを感じて、だけど妙に手に馴染むなにかを握っていた。
目を開けるとそこには虹色に輝く刀身を持った片刃の大剣があった。
「うわっ」
見た目より重たくはないけれど、まさかの大剣にセルマは慌てふためいた。いつも握っている細身の剣ではなく幅広で長い刃。
振り慣れないけれど、使えないわけではない。
セルマは剣の感触を確かめるためにぶんと振って……あまりの風圧によろけた。剣は見た目よりも軽いけれど、威力は半端ないようだ。しっかりと踏ん張らないと危ない。
セルマは大剣を握りしめ、スキアへと向かおうとしたがいつもと勝手が違い、この大剣をどう持てばいいのか悩んだ。横に流して持って走ると刃が長いので地面に当たって傷つける。それならばそれほど重たくないので肩に担ぐようにして走ればいいのかと思い至り、右肩へ峰を乗せてスキアへと走り寄った。
セルマがスキアに近寄ったところでリクハルドが放った水の渦の第二陣がスキアへと牙を剥いた。
リクハルドからスキアに一撃でいいから与えて傷を付けて欲しいと言われていたのを思い出し、セルマは肩に担いでいた大剣をスキアに向かって薙いだ。
大剣から虹色の風が吹き出し、スキアへと放たれた。セルマはさらにスキアへと近寄り、思ったよりも大きな身体に一瞬ひるんだが、ぐっと足を踏み込んで虹色に光る刃をスキアの足へ突き立てた。
「グガアアアアア」
リクハルドの水の渦に気を取られていたらしいスキアはセルマの一撃に焦り、突き刺さった刃を抜こうと足をぶんっと振り回した。
セルマは握っていた柄から手を離そうとしたが遅れてしまい、身体が宙に浮いた。
「セルマっ!」
リクハルドの叫びにセルマは必死に柄を握るが、スキアも必死で振り落とされるのも時間の問題だった。
二度、三度と左右に激しく振られて、セルマの身体は無情にも宙に投げ出されてしまった。
「【エカ マカス オイェ ザック】」
リクハルドの詠唱は聞こえたが、セルマにはそれがなにか分からない。
目を開けるとそこには虹色に輝く刀身を持った片刃の大剣があった。
「うわっ」
見た目より重たくはないけれど、まさかの大剣にセルマは慌てふためいた。いつも握っている細身の剣ではなく幅広で長い刃。
振り慣れないけれど、使えないわけではない。
セルマは剣の感触を確かめるためにぶんと振って……あまりの風圧によろけた。剣は見た目よりも軽いけれど、威力は半端ないようだ。しっかりと踏ん張らないと危ない。
セルマは大剣を握りしめ、スキアへと向かおうとしたがいつもと勝手が違い、この大剣をどう持てばいいのか悩んだ。横に流して持って走ると刃が長いので地面に当たって傷つける。それならばそれほど重たくないので肩に担ぐようにして走ればいいのかと思い至り、右肩へ峰を乗せてスキアへと走り寄った。
セルマがスキアに近寄ったところでリクハルドが放った水の渦の第二陣がスキアへと牙を剥いた。
リクハルドからスキアに一撃でいいから与えて傷を付けて欲しいと言われていたのを思い出し、セルマは肩に担いでいた大剣をスキアに向かって薙いだ。
大剣から虹色の風が吹き出し、スキアへと放たれた。セルマはさらにスキアへと近寄り、思ったよりも大きな身体に一瞬ひるんだが、ぐっと足を踏み込んで虹色に光る刃をスキアの足へ突き立てた。
「グガアアアアア」
リクハルドの水の渦に気を取られていたらしいスキアはセルマの一撃に焦り、突き刺さった刃を抜こうと足をぶんっと振り回した。
セルマは握っていた柄から手を離そうとしたが遅れてしまい、身体が宙に浮いた。
「セルマっ!」
リクハルドの叫びにセルマは必死に柄を握るが、スキアも必死で振り落とされるのも時間の問題だった。
二度、三度と左右に激しく振られて、セルマの身体は無情にも宙に投げ出されてしまった。
「【エカ マカス オイェ ザック】」
リクハルドの詠唱は聞こえたが、セルマにはそれがなにか分からない。

