この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第3章 運命の邂逅
ソヒョンは幸運にも一命を取り止めた。しかし、俊秀の言葉どおりになってしまった。
更に悪いことは続くとはよく言ったもので、蒸し饅頭屋を出していた場所で商売ができなくなってしまった。梨花はこれまで顔馴染みの扇子屋の前に露店を出していた。扇子屋の主人は若い時分からのソギョンと飲み友達だったこともあり、場所代も取らずに商売させて貰っていたのだ。
が、扇子屋が跡継のないまま亡くなり、その後に妓房が新たにできることになった。妓房の女将は三十前後の中年増で、美人というわけではないが、左眼の下の泣き黒子が妙に徒っぽい。美人ではないけれど、色香のある不思議な女だ。
この女将が妓房の前で蒸し饅頭なぞ売られては堪らないゆえ、今後は止めて欲しい。もし、どうしても商売を続けたいのなら、相応の場所代を払えと言ってきた。
更に悪いことは続くとはよく言ったもので、蒸し饅頭屋を出していた場所で商売ができなくなってしまった。梨花はこれまで顔馴染みの扇子屋の前に露店を出していた。扇子屋の主人は若い時分からのソギョンと飲み友達だったこともあり、場所代も取らずに商売させて貰っていたのだ。
が、扇子屋が跡継のないまま亡くなり、その後に妓房が新たにできることになった。妓房の女将は三十前後の中年増で、美人というわけではないが、左眼の下の泣き黒子が妙に徒っぽい。美人ではないけれど、色香のある不思議な女だ。
この女将が妓房の前で蒸し饅頭なぞ売られては堪らないゆえ、今後は止めて欲しい。もし、どうしても商売を続けたいのなら、相応の場所代を払えと言ってきた。