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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第3章 運命の邂逅
 早く次の仕事を見つけなければと心だけは逸るが、思うようにはゆかず、梨花は焦っていた。
 その日は三日ぶりに、父の身体を拭いた。熱い湯に浸した手ぬぐいを固く絞り、丹念に拭いてゆく。かつては労働者らしく逞しかった父の腕や脚は、すっかり細って枯れ木のようになってしまっている。
 梨花が幼い頃、ソギョンはよく肩車したり、膝に乗せたりして遊んでくれたものだった。
「お父さん、どこか痛いところや痒いところはない?」
 たとえ返事はなくとも、いちいち声をかけながら身体を拭く。ソギョンは喋れずとも、梨花の話していることはちゃんと理解している。だから、梨花は根気よく父に話しかけることにしていた。
 身体を拭き終えると、きちんと洗濯した清潔な夜着に着替えさせる。その後、粥を作り、適度に冷ましたものを木匙でゆっくりと食べさせるのだ。
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