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第4章 求め合う心

「どうやら君は落とし物をするのが得意なようだね」
　男は優しい笑みを見せ、ゆっくりと腰を屈めた。小柄な梨花から見れば、まさに見上げるほどの長身だ。並べば、大人と子どもくらいの差があるだろう。
　梨花の記憶にあるより、更に上背があるようだ。
「ほら」
　男は相変わらず微笑んだまま、じゃが芋を拾って差し出した。
「このお屋敷の方を訪ねていらっしゃったのですね？」
　梨花が確認するように問うのに、男は少し悪戯っぽい表情になった。
「さあ、どうだろう。君の眼には私はどのように映る？」
　梨花は小首を傾げ、男をしげしげと見つめた。あ、と、小さく叫んで手を打った。
「あなたは、もしや、このお屋敷の若さまのご友人ではないのですか？」