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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第4章 求め合う心
「それなら、君自身を貰えれば、私はそれで良い」
「私―自身、ですか?」
訝しげに問う梨花に、男は屈託ない笑みを浮かべた。
「そう、君自身を貰おう。今夜、その君の身体で私を存分に愉しませてくれ」
「ええっ」
梨花は素っ頓狂な声を出し、茫然とした。
この男、初めて逢ったときは、世のお坊ちゃん連中とは違う真面目そうな人だと思ったのに。
初対面とのあまりの印象の違いに愕然とする。
それとも、私が使用人だから? この屋敷の女中だから、こんな酷いことを?
梨花は少なからぬ衝撃を受けた。
悔しさと情けなさに湧き上がる涙を堪え、涙眼で男を睨みつける。
「私―自身、ですか?」
訝しげに問う梨花に、男は屈託ない笑みを浮かべた。
「そう、君自身を貰おう。今夜、その君の身体で私を存分に愉しませてくれ」
「ええっ」
梨花は素っ頓狂な声を出し、茫然とした。
この男、初めて逢ったときは、世のお坊ちゃん連中とは違う真面目そうな人だと思ったのに。
初対面とのあまりの印象の違いに愕然とする。
それとも、私が使用人だから? この屋敷の女中だから、こんな酷いことを?
梨花は少なからぬ衝撃を受けた。
悔しさと情けなさに湧き上がる涙を堪え、涙眼で男を睨みつける。