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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第4章 求め合う心
三日前、清国に滞在しているという当主の北斗から大きな荷物が届いた。はるばる海を越えて到着した多くの荷の中には、庶民では到底、眼にもできないような名品、珍品が雑貨から食品まで山のようにある。
夫人はその中から美々しい布と茘枝の砂糖漬け、翠玉(チェイオク)の豪華な首飾りを選び、妹に届けるように指示した。本来なら、まだ新参の女中には任されない仕事ではあるが、女中頭のグミョンが梨花の人柄を高く買っており実現したのだ。
無事、言われたとおりに土産品を届け終えた後、梨花は急ぎ足で屋敷への帰り道を辿っていた。
町は、そろそろ黄昏刻が迫りつつあった。往来を行き交う人々は皆、うつむき加減に白い息を吐きながら家路を急いている。
この空模様では、いつ降り出しても不思議はない。空はますます暗さを増し、鈍色の雲が低く頭上に覆い被さるようにひろがっている。
夫人はその中から美々しい布と茘枝の砂糖漬け、翠玉(チェイオク)の豪華な首飾りを選び、妹に届けるように指示した。本来なら、まだ新参の女中には任されない仕事ではあるが、女中頭のグミョンが梨花の人柄を高く買っており実現したのだ。
無事、言われたとおりに土産品を届け終えた後、梨花は急ぎ足で屋敷への帰り道を辿っていた。
町は、そろそろ黄昏刻が迫りつつあった。往来を行き交う人々は皆、うつむき加減に白い息を吐きながら家路を急いている。
この空模様では、いつ降り出しても不思議はない。空はますます暗さを増し、鈍色の雲が低く頭上に覆い被さるようにひろがっている。