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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第4章 求め合う心
ついクスリと笑みを洩らした梨花に、南斗が片眉を上げる。
「何だ? 私が何かおかしいことを申したか?」
「いえ、先刻から若さまを拝見している中に、先日、若さまが私におっしゃったことと同じ科白が浮かんできたのです」
「はて、私がそなたに何を申したかな」
空惚けた顔で言うのも憎らしい。
そこで、梨花は間髪を入れず言った。
「私が変わった娘だとおっしゃったことを、もう、お忘れなのですね」
少し恨めしげに言うと、案の定、南斗は大仰に首を振った。
「それは、私が申したのと少し違う。私はそなたに変わり者と申したのではなく、面白き娘だと言ったのだ」
ほら、やっぱり、憶えている―。梨花はそう言ってやりたい衝動と笑いを堪えた。
「あら、どちらも似たようなものですわ」
「何だ? 私が何かおかしいことを申したか?」
「いえ、先刻から若さまを拝見している中に、先日、若さまが私におっしゃったことと同じ科白が浮かんできたのです」
「はて、私がそなたに何を申したかな」
空惚けた顔で言うのも憎らしい。
そこで、梨花は間髪を入れず言った。
「私が変わった娘だとおっしゃったことを、もう、お忘れなのですね」
少し恨めしげに言うと、案の定、南斗は大仰に首を振った。
「それは、私が申したのと少し違う。私はそなたに変わり者と申したのではなく、面白き娘だと言ったのだ」
ほら、やっぱり、憶えている―。梨花はそう言ってやりたい衝動と笑いを堪えた。
「あら、どちらも似たようなものですわ」