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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第6章 兄の心
むしろ、誰にでも隔てを置かず接するし、商い一辺倒の父親のように冷徹なところもない―穏やかで情に厚い人柄だと良く言う者はいるがな」
「じゃあ、どうして? どうして、お兄ちゃんは若さまを嫌いだなんて言うの!?」
言い募る梨花を、ソルグクは困ったように見つめた。
「尹南斗という男は、不幸の星を背負っている。あの男と結婚すれば、お前までもがその不幸に巻き込まれるぞ」
梨花が烈しい眼で兄を睨む。
「何よ、それ。お兄ちゃんは、いつから占い師になったの? 南斗さまの顔をひとめ見て、あの方の運勢を見抜いたとでも?」
「皮肉を言わないでくれ。俺は見たまま感じたままを言っているだけだ」
「一体、何を根拠に若さまが不幸の星を背負っているだんなんて判るのよ」
ソルグクは彼らしくもない気弱な笑みを刻んだ。
「じゃあ、どうして? どうして、お兄ちゃんは若さまを嫌いだなんて言うの!?」
言い募る梨花を、ソルグクは困ったように見つめた。
「尹南斗という男は、不幸の星を背負っている。あの男と結婚すれば、お前までもがその不幸に巻き込まれるぞ」
梨花が烈しい眼で兄を睨む。
「何よ、それ。お兄ちゃんは、いつから占い師になったの? 南斗さまの顔をひとめ見て、あの方の運勢を見抜いたとでも?」
「皮肉を言わないでくれ。俺は見たまま感じたままを言っているだけだ」
「一体、何を根拠に若さまが不幸の星を背負っているだんなんて判るのよ」
ソルグクは彼らしくもない気弱な笑みを刻んだ。