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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第6章 兄の心
「そんな話、聞きたくもありませんよ」
ソルグクは断じると、キッと南斗を睨(ね )めつけた。
「良い加減にしてくれ。先から何度言わせるんだ。とっとと帰れと言ってるのが判らねえのか」
―この男は馬鹿なのか、それとも神経が麻痺しているのか?
一瞬、そう思ってしまいそうになったほど、南斗はここまで言われても顔色を変えなかった。
「それでは、今日のところは、これで失礼します。ですが、こちらはお父上に是非、お渡し下さい。薬用人参の中でも、とりわけ滋養強壮に効くといわれている清国渡りの稀少種です。きっと、体力がつくと思いますので」
ソルグクは、差し出された布包みを力一杯振り払った。
「こんなたいそうな代物を親切ぶって持ってきたのか? 妹に良い格好をしたくて持ってきたのかもしれねえが、前にも言ったとおり、施しを受ける謂われはないんでね」
ソルグクは断じると、キッと南斗を睨(ね )めつけた。
「良い加減にしてくれ。先から何度言わせるんだ。とっとと帰れと言ってるのが判らねえのか」
―この男は馬鹿なのか、それとも神経が麻痺しているのか?
一瞬、そう思ってしまいそうになったほど、南斗はここまで言われても顔色を変えなかった。
「それでは、今日のところは、これで失礼します。ですが、こちらはお父上に是非、お渡し下さい。薬用人参の中でも、とりわけ滋養強壮に効くといわれている清国渡りの稀少種です。きっと、体力がつくと思いますので」
ソルグクは、差し出された布包みを力一杯振り払った。
「こんなたいそうな代物を親切ぶって持ってきたのか? 妹に良い格好をしたくて持ってきたのかもしれねえが、前にも言ったとおり、施しを受ける謂われはないんでね」