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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第7章 哀しい現実
「そんな! それだけの大罪を犯しておきながら、右議政と猛威徳は咎めなしだったのですか?」
 ソルグクが憤慨して叫ぶのに、ジュソンは頷いた。
「あなたもお聞きになったことがありませんか。我が旦那さまを殺したのは右議政と猛威徳だと当時、巷では専らの噂だったのですよ。しかし、最初から自分たちの犯行だと判るような、そんな愚かな計画は立てません。あやつらは、盗賊の犯行に見せかけて、刺客を屋敷に放ったのです。恐らく、直接、刺客を雇ったのは猛威徳で、右議政は刺客の名前どころか顔すら知らないでしょう。知らなければ、万が一追及されたとしても、応えるすべはありませんしね。全く、怖ろしいほど悪知恵に長けた奴らです」
 ソルグクが茫然として訊ねる。
「その噂については、かすかに記憶があります。でも、まさか、多くの使用人まで犠牲になったとは。屋敷にいた人すべてが亡くなったのですか?」
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