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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第7章 哀しい現実
「これで俺があんたたちの結婚に反対する理由が判っただろう? 俺はできることなら、この話をしたくなかった。ジュソンという男も最後まで、あんたには妹が生きていることを知らせないでくれと頼んでいたからな。だが、あんたに海棠を諦めさせるためには話すしかなかった」
ソルグクは静かに言い、南斗に背を向けた。
「教えてくれ! 梨花は、妹は、どういう経緯で、あなたの家の娘となったのか話してくれないか」
背後から南斗の懸命な声が追いかけてくる。
ソルグクは振り返らず応えた。
「今更、それを知って、どうなる? あの子がうちに来たときにあの子に言ったのと同じ科白を今、若さまに言おう。何もかも忘れて、新しく生き直すんだ。これまでの人生はすべて棄てた方が良い」
南斗が息を呑む。
ソルグクは一度も振り返ることなく歩き続け、もう南斗が声をかけてくることはなかった。
ソルグクは静かに言い、南斗に背を向けた。
「教えてくれ! 梨花は、妹は、どういう経緯で、あなたの家の娘となったのか話してくれないか」
背後から南斗の懸命な声が追いかけてくる。
ソルグクは振り返らず応えた。
「今更、それを知って、どうなる? あの子がうちに来たときにあの子に言ったのと同じ科白を今、若さまに言おう。何もかも忘れて、新しく生き直すんだ。これまでの人生はすべて棄てた方が良い」
南斗が息を呑む。
ソルグクは一度も振り返ることなく歩き続け、もう南斗が声をかけてくることはなかった。