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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第7章 哀しい現実
ソルグクが去った後、南斗はボウとその場に立ち尽くしていた。
様々な想いが一挙に溢れ出し、収拾がつかなくなっている。いかなるときも我を見失うまいと心がけているが、今日ばかりはその自らに課した掟を守るのは難しそうである。
ふいに眼に熱いものが溢れ、彼は小さく首を振り空を見上げた。不思議なもので、新しい年になった―ただそれだけのことで、人の心までが生まれ直したように新鮮になるのは何故なのだろう。
どんなに辛いことがあっても、新年を迎えたら、嫌なことも辛いことも過去になってしまったような気がする。
今年の正月は、彼にとって、かつてないほどに大きな意味を持つものとなった。生涯の想い人と思える女とめぐり逢い、想いを通わせ得たのだ。今年こそは、その女と結ばれる筈だと思えば、新しい年の訪れがこの上ない幸福の始まりのように思えた。
様々な想いが一挙に溢れ出し、収拾がつかなくなっている。いかなるときも我を見失うまいと心がけているが、今日ばかりはその自らに課した掟を守るのは難しそうである。
ふいに眼に熱いものが溢れ、彼は小さく首を振り空を見上げた。不思議なもので、新しい年になった―ただそれだけのことで、人の心までが生まれ直したように新鮮になるのは何故なのだろう。
どんなに辛いことがあっても、新年を迎えたら、嫌なことも辛いことも過去になってしまったような気がする。
今年の正月は、彼にとって、かつてないほどに大きな意味を持つものとなった。生涯の想い人と思える女とめぐり逢い、想いを通わせ得たのだ。今年こそは、その女と結ばれる筈だと思えば、新しい年の訪れがこの上ない幸福の始まりのように思えた。