この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第7章 哀しい現実
だが、よもや、その先にこのような結末が待ち受けていたとは想像だにしなかった。
緩慢に視線を動かすと、早咲きの梅花が可憐な蕾をつけているのが眼に入った。二本の樹が睦まじく寄り添い合うように植わっており、雪のように白い蕾と愛らしい薄紅色の蕾をそれぞれつけている。
我知らず、大きな溜息をついていた。
いよいよ父の帰国が五日後に迫った。北斗商団の大行首である父北斗は、漢陽でもその名を轟かせた辣腕の商人だ。南斗にとっては、縁もない自分を引き取り、息子として育ててくれた恩義ある人でもあった。
父の帰国に備えて、留守中の帳簿の再点検など準備しておかなければならないことは山ほどもある。しかし、今となっては、正直、何をする気力も失ってしまっていた。
現に、つい先刻―ソルグクが訪れるまで、彼は精力的に動き回っていたのだ。
緩慢に視線を動かすと、早咲きの梅花が可憐な蕾をつけているのが眼に入った。二本の樹が睦まじく寄り添い合うように植わっており、雪のように白い蕾と愛らしい薄紅色の蕾をそれぞれつけている。
我知らず、大きな溜息をついていた。
いよいよ父の帰国が五日後に迫った。北斗商団の大行首である父北斗は、漢陽でもその名を轟かせた辣腕の商人だ。南斗にとっては、縁もない自分を引き取り、息子として育ててくれた恩義ある人でもあった。
父の帰国に備えて、留守中の帳簿の再点検など準備しておかなければならないことは山ほどもある。しかし、今となっては、正直、何をする気力も失ってしまっていた。
現に、つい先刻―ソルグクが訪れるまで、彼は精力的に動き回っていたのだ。