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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第8章 終焉
気に入った客しか取らないという香月だが、部屋を出る間際、南斗に艶な流し目をよこしてきた。
しかし、南斗は、あのような女は好みではない。華のある美貌は流石に国王の心を動かすだけはあるに違いないが、冷ややかな美しさは妍がありすぎて情の強さが思いやれる。
南斗自身は、やはり素直で心優しい娘がよほど良い。
彼の脳裡に、一人の娘の顔が浮かぶ。海棠―いや、やはり梨花と呼んだ方が良いのだろう。一緒にいて安らげるのは、やはり、あのような娘だ。
ソルグクから到底、受け入れ難い真実を突きつけられ、いっときは奈落の底に落ちた彼であった。
その後は自室に閉じこもり、誰にも逢おうせず食事すら摂らなかった。
毎朝の洗顔すら拒否して、海棠にも逢おうとはしなかった。大切な息子に良人の留守中に何かあってはと夫人はたいそう心配した。
しかし、南斗は、あのような女は好みではない。華のある美貌は流石に国王の心を動かすだけはあるに違いないが、冷ややかな美しさは妍がありすぎて情の強さが思いやれる。
南斗自身は、やはり素直で心優しい娘がよほど良い。
彼の脳裡に、一人の娘の顔が浮かぶ。海棠―いや、やはり梨花と呼んだ方が良いのだろう。一緒にいて安らげるのは、やはり、あのような娘だ。
ソルグクから到底、受け入れ難い真実を突きつけられ、いっときは奈落の底に落ちた彼であった。
その後は自室に閉じこもり、誰にも逢おうせず食事すら摂らなかった。
毎朝の洗顔すら拒否して、海棠にも逢おうとはしなかった。大切な息子に良人の留守中に何かあってはと夫人はたいそう心配した。