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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第8章 終焉
覗き込んだ水面は透明で澄んでいる。その面に、懐かしいひとの面影が映った。
―海棠、私が兄としてしてやれるのは、お前の果たしたかっただろう両親の敵討ちをすることだ。これで兄としての務めも果たした。だから、最後は、私は兄としてではなく、お前を慕う一人の男として逝こう。
猛威徳との談合中、威徳と南斗があい次いで謎の死を遂げた。梨花には真相を知るすべはないけれど、もしかしたら、南斗は林家の両親の無念を晴らしたのかもしれないとも思うのだ。
最後は、私は兄としてではなく、お前を慕う一人の男として逝こう。
梨花には、南斗の今わの際の呟きが聞こえてくるような気がした。
ソルグクは言った。南斗は梨花にとって、大切な存在―兄でもあり、恋人でもあったのだと。
そう、若さまは私にとって、永遠に尹南斗さまであり、一途に恋い慕った想い人だった。
―海棠、私が兄としてしてやれるのは、お前の果たしたかっただろう両親の敵討ちをすることだ。これで兄としての務めも果たした。だから、最後は、私は兄としてではなく、お前を慕う一人の男として逝こう。
猛威徳との談合中、威徳と南斗があい次いで謎の死を遂げた。梨花には真相を知るすべはないけれど、もしかしたら、南斗は林家の両親の無念を晴らしたのかもしれないとも思うのだ。
最後は、私は兄としてではなく、お前を慕う一人の男として逝こう。
梨花には、南斗の今わの際の呟きが聞こえてくるような気がした。
ソルグクは言った。南斗は梨花にとって、大切な存在―兄でもあり、恋人でもあったのだと。
そう、若さまは私にとって、永遠に尹南斗さまであり、一途に恋い慕った想い人だった。