この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第2章 転生
仮にあやつらが両親を、スンチョンを殺した怖ろしい殺人鬼だとしても。その男たちを殺してしまった自分もまた彼ら以上に冷酷な夜叉ではないのか? 親を殺した憎い仇だから仕方ないと割り切るには、梨花は純真であり誠実すぎた。
酒に薬を注ぎ込んだときは、我を忘れていた。父母や乳母を殺された怒りに冷静さも分別も失っていたのは確かだ。だが、それを人殺しの言い訳にはできない。
あの夜の記憶は、すべてが血に塗(まみ)れている。
男たちに殺されたスンチョンも、自分が殺した男たちも。
次々と怖ろしい記憶が幼い梨花を襲い、梨花は思わず両手で顔を押さえ、悲鳴を上げた。
その場に打ち伏して悲鳴を上げ続ける梨花を見、夫婦者らしい男と女は顔を見合わせている。
「どうも、一度に何もかも訊ねたのがまずかったようだな。雪(ソル)國(グク)、ここはお前に任せる。子どもは子ども同士、ゆっくり話してみてくれ」
酒に薬を注ぎ込んだときは、我を忘れていた。父母や乳母を殺された怒りに冷静さも分別も失っていたのは確かだ。だが、それを人殺しの言い訳にはできない。
あの夜の記憶は、すべてが血に塗(まみ)れている。
男たちに殺されたスンチョンも、自分が殺した男たちも。
次々と怖ろしい記憶が幼い梨花を襲い、梨花は思わず両手で顔を押さえ、悲鳴を上げた。
その場に打ち伏して悲鳴を上げ続ける梨花を見、夫婦者らしい男と女は顔を見合わせている。
「どうも、一度に何もかも訊ねたのがまずかったようだな。雪(ソル)國(グク)、ここはお前に任せる。子どもは子ども同士、ゆっくり話してみてくれ」