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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第3章 運命の邂逅
兄のソルグクは二十歳になった。しかし、いまだに結婚する気もないし、恋人の一人もいないようだ。ソルグクは精悍な顔立ちで、二十歳よりは幾つか上に見える。鼻下に蓄えた髭のせいもあるだろう。
梨花はよくソルグクの自慢の髭を引っ張り、
―お兄ちゃん(オラボニ)って、この髭がなかったら、実は結構童顔なのよね? でも、こんな髭を生やしてたら、むさ苦しくて、お嫁さんの来手なんて一向にないわよ。
とからかう。
その度に、ソルグクはわざと渋面を拵え、
―世話の焼ける妹がいれば、嫁の来手なんかあるもんか。お前が先にさっさと良い男に嫁に行けば、俺もすぐにだって女房を貰うよ。
と負けずに言い返してくる。
梨花は時々、ふっと思うことがある。
もし、実の兄ソンジュンが生きていれば、ソルグクとのように、こうしてふざけ合っていただろうか。
梨花はよくソルグクの自慢の髭を引っ張り、
―お兄ちゃん(オラボニ)って、この髭がなかったら、実は結構童顔なのよね? でも、こんな髭を生やしてたら、むさ苦しくて、お嫁さんの来手なんて一向にないわよ。
とからかう。
その度に、ソルグクはわざと渋面を拵え、
―世話の焼ける妹がいれば、嫁の来手なんかあるもんか。お前が先にさっさと良い男に嫁に行けば、俺もすぐにだって女房を貰うよ。
と負けずに言い返してくる。
梨花は時々、ふっと思うことがある。
もし、実の兄ソンジュンが生きていれば、ソルグクとのように、こうしてふざけ合っていただろうか。