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激情パラドックス
第9章 パラダイス
――あれから一年。
俺は新規オープンした『パラドックス』の系列店舗『パラダイス』の店長に任命された。パリで見てきたことをまとめた企画書を本社に提出したのを買われたのだ。『パラダイス』は、ややフレンチを取り入れたカフェスタイルのレストランだ。立ち上げはそりゃ大変だったけど、万事順調に進んだ。
店長の佐久間の赤ん坊は無事生まれた。相変わらず俺達はたまに飲む仲間だ。
「しかし大和、お前、ほんと変わったよな」
「そうだな、七瀬のおかげだ。でな、聞いてくれよ昨日なんてさ……」
「あ~また惚気かよ……まったく立場逆転だな」
「いーじゃねーかよー!俺がお前と優花の惚気どんだけ聞かされたと思ってんだよ!聞け、佐久間!いーから聞けー!!」
――俺は半年前、七瀬と結婚した。妻・松原七瀬のお腹には今、赤ん坊が宿っている。
七瀬のことは、パリにいた時とずっと同じ気持ちで愛している。いや、むしろどんどん愛が大きくなってる。もちろんセックスもしまくったが、それだけじゃない愛しい気持ちが、ずっと俺を幸せにしてくれているし、ずっとこのまま大切にしていく。
「……けどさぁ大和の場合ってやっぱモテるからこういろいろ上手くいけたんじゃないのか?イケメンは得でいいよなぁ」
「いや、そうでもないだろ。イケメンだからってよりも、ちんこデカいからじゃねーの?」
「お前はまったくー!……って、何それ、今までの子達みんなソレに惚れてたっていうのか……?」
「それもあるだろ。言われるもん、アァン、大和の、おっきいー!!って」
「バッ……、やめろよそういうこと言うの!今オレ奥さんとなかなかできなくて溜ってんだからよ……」
「俺も赤ん坊生まれたらそーなるんだろうな……」
「ああ。浮気すんじゃないぞ?」
「大丈夫だって。七瀬以外の女なんて考えられねーよ。でさ、こないだな……」
俺は佐久間への惚気を延々と続けた。
あの激情的な日々は、俺にいろいろなことを教えてくれた。受け身でいるだけでは大切なものを守れないこと、愛してくれている人を邪険にしてはいけないこと、本当に大切な女がいたら絶対に他の女とやってはいけないこと……。
パラドックスから、パラダイスへ。
それを切り替えるのは、他の誰でもない、自分なんだ……。
--END--
俺は新規オープンした『パラドックス』の系列店舗『パラダイス』の店長に任命された。パリで見てきたことをまとめた企画書を本社に提出したのを買われたのだ。『パラダイス』は、ややフレンチを取り入れたカフェスタイルのレストランだ。立ち上げはそりゃ大変だったけど、万事順調に進んだ。
店長の佐久間の赤ん坊は無事生まれた。相変わらず俺達はたまに飲む仲間だ。
「しかし大和、お前、ほんと変わったよな」
「そうだな、七瀬のおかげだ。でな、聞いてくれよ昨日なんてさ……」
「あ~また惚気かよ……まったく立場逆転だな」
「いーじゃねーかよー!俺がお前と優花の惚気どんだけ聞かされたと思ってんだよ!聞け、佐久間!いーから聞けー!!」
――俺は半年前、七瀬と結婚した。妻・松原七瀬のお腹には今、赤ん坊が宿っている。
七瀬のことは、パリにいた時とずっと同じ気持ちで愛している。いや、むしろどんどん愛が大きくなってる。もちろんセックスもしまくったが、それだけじゃない愛しい気持ちが、ずっと俺を幸せにしてくれているし、ずっとこのまま大切にしていく。
「……けどさぁ大和の場合ってやっぱモテるからこういろいろ上手くいけたんじゃないのか?イケメンは得でいいよなぁ」
「いや、そうでもないだろ。イケメンだからってよりも、ちんこデカいからじゃねーの?」
「お前はまったくー!……って、何それ、今までの子達みんなソレに惚れてたっていうのか……?」
「それもあるだろ。言われるもん、アァン、大和の、おっきいー!!って」
「バッ……、やめろよそういうこと言うの!今オレ奥さんとなかなかできなくて溜ってんだからよ……」
「俺も赤ん坊生まれたらそーなるんだろうな……」
「ああ。浮気すんじゃないぞ?」
「大丈夫だって。七瀬以外の女なんて考えられねーよ。でさ、こないだな……」
俺は佐久間への惚気を延々と続けた。
あの激情的な日々は、俺にいろいろなことを教えてくれた。受け身でいるだけでは大切なものを守れないこと、愛してくれている人を邪険にしてはいけないこと、本当に大切な女がいたら絶対に他の女とやってはいけないこと……。
パラドックスから、パラダイスへ。
それを切り替えるのは、他の誰でもない、自分なんだ……。
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