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花咲く夜に
第6章 決心
父さんは、
多分………
母さんとの仲を修復したかったんだと思う。


場所が変わったら、
関係も良くなると考えたのかな。


引っ越して、
最初は仲が良かったんだ。俺はホッと安心した記憶がある。


だけど……
1年経ったくらいかな。
確か俺は3年生くらいだったと思う。

母さんが、
目に見えておかしくなった。


家事をせずに、
毎日部屋で寝てた。
たまに顔を見せては泣いたり、
急に笑い出したり。


………今なら、
情緒不安定だって分かるんだけど。
怖くて、怒らせないように機嫌を伺ってた。


普通に会話してたのに、
急に泣き出したりするんだ。

父さんは毎日ちゃんと帰って来たよ。
遊び歩いたりもしない。
ギャンブルもしない人だよ。会社の人とたまに出かけるくらいだった。

俺は放課後は母さんと居る時間が嫌で、
友達と遊んでわざと帰宅時間を遅くした。
サッカー部に入ったりして。









貴斗はそこで言葉を切った。

目を閉じて、
『……気持ち悪く感じたならごめん。
ここからは……
ちょっとあり得ない内容なんだ』
と震える声で話した。


めぐるは無言で貴斗の腕を擦る。


その動きに後押しされたように、
貴斗は口を開いた。
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