この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
花咲く夜に
第7章 離脱
美世という貴斗の母親は、20歳で初婚に至る。


相手は旅行先で出会った、5歳上の都会的な派手な男。


昭恵は『若すぎる』『美世は相手に釣り合わない』
と反対したが、
美世が養女だという負い目もあったため……
渋々了承する形となり、
夫婦は東京・荒川区にてアパート住まいをスタートさせた。


美世が相手の居住地に移り住む形だ。


が、
その結婚生活は美世が描いたものとは全く違い、
相手男性には遊ぶための女が何人も居た。。


ショックを受けた美世は一時的にこの村へと還るが、『甘えだ、だから言っただろう』
と昭恵は美世を責めた。


2年で離婚となり、
美世は再び谷津川にて暮らしを始めた。




『…………アタシが反対したからかねぇ…………
美世は離婚後も〔旅行だ〕と嘘をついて、
相手と逢っていたんだ。

幸久さんと出逢って再婚してからも、度々………。
そして貴斗お前が生まれた。
その〔初婚の相手〕が、
お前の父親だと……
幸久さんに連絡が入ったそうだ。
……………末期癌で入院中だそうだよ。美世が「貴方の子を産んだ」とお前の写真を送ってたらしいんだ。
自分の先がもう短いと分かって、
幸久に連絡したそうだ』



貴斗は無表情で俯いていた。
―――沈黙―――――

『……………………………………祖母さん。』


10分は経ただろうか。


重い空気のなか、
貴斗は昭恵に訊ねる。


『何だい』

『……………………いまいち、
ピンと来ない。
会ったことも見たこともない男を「父親だ」と言われても………………』


『…………………』
昭恵は目を伏せた。


『……………でも。
…………だから、
何だってんだ?
祖母さんは嫌かもしれないけど。
俺には父さんしか父親だと思えないよ』



『…………嫌って何だよ』

『母さんがああなったから。
大阪に行かなければ、
ああはならなかったかもしれない……………………』


『…………嫌な訳がないだろう。
それに………………
アタシだって、美世と血の繋がりはないんだ。
だけど……………………』昭恵はそこで言葉を切る。
/206ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ