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花咲く夜に
第5章 交錯
貴斗は、
曽根崎優の見舞いに訪れていた。


水曜日の昼間。
めぐるも一緒に、
隣町の総合病院の整形外科へ向かう。


『え〜っと、
3階の352号………
あ、あったぞ』

4人部屋らしい。
4名のネームプレートが開き戸の横にある。


『失礼しまーす』
『失礼します』


『おお、貴斗!
めぐるちゃんも』

脚を包帯で固定して、
専用の石膏で固めて吊るした姿の優。


『この間はありがとう。
助かった。
めぐるちゃん、嫁さんが誉めてたよ』

『いえ、そんな…
私は何もしていないので』
めぐるは恐縮した。


『わりと元気そうじゃん』貴斗が冷やかす。
はい、お見舞い……
と和菓子&花を手渡した。

『おう、
済まないな……
脚以外は元気なんだよ(笑)仕事できないのがツライけどな』

『手当出てるのか?』

『ああ、少しは。
けどきついなぁ……
まぁ、じいちゃんばあちゃんが現役だからな』
優の両親は農業をしながら、
母親はパートも出ている。
優の奥さん――美園さんは杏奈ちゃんが就学するまでは専業で居る予定らしい。

『まぁ、きちんと治すのが先決だなー。ちょっとトイレ行ってくるね』
貴斗は病室を出ていく。

『…何だアイツ(笑)来るなり、
失礼なヤツだろめぐるちゃん』

優は苦笑いをしてめぐるを見遣る。

『(苦笑)ですね。
優しいところも沢山あるんですけど…』

『ノロケかぁ〜〜〜。
結婚はいつするの?』

『ええっ、
そんなのは無いですよ!!』めぐるは慌てる。

『え、そうなの?
俺はてっきり……
貴斗は簡単に自宅に女性を入れるような男じゃないからね。
本気は本気なんだろ』


『貴斗さん、
真面目なんですよね…』



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