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人妻温泉
第3章 その3
<田川晴敏さま

先日はとんだご迷惑をおかけしました。
佐田綾加【サタアヤカ】です。
お部屋へお礼を…と申し上げたものの、図々しく不躾でした。
それで、提案なのですが。もし良ければお食事ご一緒しませんか?

良ければで構いませんので、返信下されば幸いです。では、失礼致します。>


と入っていたのだ。


返信すると、
金曜日の夕方に近くのレストランで食事をすることになった。


―――で、
あまりの展開に目を白黒させていたのだ。


(女性から食事の誘いをうけるなんて、
俺にとっては青天の霹靂だ………)


どうしよう。
先ず思ったのはそれである。
上手く喋れない。
面白い話題もない。見た目も良くない。
ないない尽くしの俺…………

社内に居た後輩の畠山健【ハタケヤマタケル】を掴まえて、
小声で尋ねた。
『おい、女性と話って何話したら良いんだ?』

『何ですか急に…
花粉症なんすよ僕。大変なんすよっ。』イライラしているが、
『頼む、何喋ると女性は楽しいかだけ教えてくれ〜〜〜』
と言うと『………話聞けばいいんじゃないですかねぇ。
ウチの嫁、ずーっと喋ってますもん。
一度「だから何だ?」って返したら洗剤付いたスポンジ飛んできたし…
女性って〔話聞いてくれるだけ〕が好きなんじゃないすかねぇ』
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