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君が泣かないためならば
第6章 て
「重田・・・さん」
重田さんは私の思い出の中のままで。
1年前より自信に満ち溢れた顔をして私たちの前まで来た。
「久しぶりだな」
そう笑いかける重田さんに私も紗江子ちゃんも何も言えずにいた。
「元気だったか?」
そう、聞く権利が貴方にはあるのだろうか?
声を発したら、止まらなくなりそうで。
私はじっと固まっていた。
「本日は、どうなさったんですか?」
紗江子ちゃんがさすが秘書課と思うような作り笑いで淡々と質問する。
「武田さんも久しぶり。秘書の方で聞いてないかな?
N.Y.から支社長が来るって」
「伺っておりますが」
「俺はお伴。今支社長が社長とランチミーティングするって俺は解放されたから。
懐かしくなって企画に行ったら、明日香がここにいるって聞いたから」
明日香、なんて呼ばないで・・・っ
心の中で叫んだけど表情には表れていたらしく
紗江子ちゃんがテーブルの下でつま先をコツンと私に当てる。
大丈夫よ。
そう言ってくれているようだった。
「左様ですか」
重田さんはそう答えた紗江子ちゃんの方には見向きもせず。
一層声をひそめて私に耳打ちした。
重田さんは私の思い出の中のままで。
1年前より自信に満ち溢れた顔をして私たちの前まで来た。
「久しぶりだな」
そう笑いかける重田さんに私も紗江子ちゃんも何も言えずにいた。
「元気だったか?」
そう、聞く権利が貴方にはあるのだろうか?
声を発したら、止まらなくなりそうで。
私はじっと固まっていた。
「本日は、どうなさったんですか?」
紗江子ちゃんがさすが秘書課と思うような作り笑いで淡々と質問する。
「武田さんも久しぶり。秘書の方で聞いてないかな?
N.Y.から支社長が来るって」
「伺っておりますが」
「俺はお伴。今支社長が社長とランチミーティングするって俺は解放されたから。
懐かしくなって企画に行ったら、明日香がここにいるって聞いたから」
明日香、なんて呼ばないで・・・っ
心の中で叫んだけど表情には表れていたらしく
紗江子ちゃんがテーブルの下でつま先をコツンと私に当てる。
大丈夫よ。
そう言ってくれているようだった。
「左様ですか」
重田さんはそう答えた紗江子ちゃんの方には見向きもせず。
一層声をひそめて私に耳打ちした。