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君が泣かないためならば
第8章 て
私と啓は無言で次に来たタクシーに乗り込んで
私の部屋へと帰った。
鍵を開け、部屋の中に入った途端
啓が痛いぐらいぎゅっと私を抱きしめる。
「明日香を手放さなければいけないのかと思った」
絞り出すようなその声に
私はぎゅっと胸をつかまれたような気がした。
「啓」
「俺は明日香のためだったらどんな事も出来るよ」
「・・・・」
「でもその中で、例え明日香のためだとしても・・・
明日香を手放すのは、身を切られるより辛い」
「うん・・・」
「いつまでも、ずっとずっと俺のそばにいて」
「うん。離れないし、離さないから・・・
啓も私を離さないでっ」
そう言った途端、啓が私にキスをする。
もう二度とできないかもしれないと思ったキスをする。
ゆっくりとか、優しくとか、そんな言葉を忘れてしまったかのように
荒々しく性急なキスを繰り返した。
「明日香」
ひとしきりキスを繰り返して
私を抱きしめるとそのまま靴を脱いで私を抱き上げる。
そっと、壊れモノのように私をベッドに横たえると
止めていた息を吐き出すように大きく息を吐き出して
「良かった」
と耳元で囁いた。
私の部屋へと帰った。
鍵を開け、部屋の中に入った途端
啓が痛いぐらいぎゅっと私を抱きしめる。
「明日香を手放さなければいけないのかと思った」
絞り出すようなその声に
私はぎゅっと胸をつかまれたような気がした。
「啓」
「俺は明日香のためだったらどんな事も出来るよ」
「・・・・」
「でもその中で、例え明日香のためだとしても・・・
明日香を手放すのは、身を切られるより辛い」
「うん・・・」
「いつまでも、ずっとずっと俺のそばにいて」
「うん。離れないし、離さないから・・・
啓も私を離さないでっ」
そう言った途端、啓が私にキスをする。
もう二度とできないかもしれないと思ったキスをする。
ゆっくりとか、優しくとか、そんな言葉を忘れてしまったかのように
荒々しく性急なキスを繰り返した。
「明日香」
ひとしきりキスを繰り返して
私を抱きしめるとそのまま靴を脱いで私を抱き上げる。
そっと、壊れモノのように私をベッドに横たえると
止めていた息を吐き出すように大きく息を吐き出して
「良かった」
と耳元で囁いた。