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君が泣かないためならば
第2章 ミ (side紗江子)
「おい!紗江子、ちょっと待てよ」
席を立ったところで啓に呼び止められた。
「何?」
「なんだよ?あれ」
私の開いた合コンが啓は気に入らないらしい。
「何?って合コンよ。啓も約束通り呼んであげたじゃない」
「合コンって、俺以外の男が明日香にやたら話しかけてるんだけど」
「合コンだもの」
「女の子はほかに何人もいるだろうが」
「しょうがないじゃん。あの人たちは明日香が好みなんでしょ」
「っ!」
オシャレな間接照明の店内が程よいボリュームの音楽で
私たちの小声の会話がかき消される。
「啓、私の隣の子、啓の事狙ってるんだよ。気が付いてるでしょ」
「・・・・」
「明日香に一途なのもいいけど。他に目を向けるのもいいんじゃない?」
「・・・・」
「そもそも、なんで啓は明日香にきちんと自分の気持ちを言わないのよ」
この言葉がどれだけ大きなお世話か、私が1番よく知ってる。
「私は明日香にも幸せになってほしいけど、啓にも幸せになってほしいんだよ」
「・・・・」
何が幸せかなんて。
その人じゃなければ分からない。
愛されることが女の幸せなら、
明日香は迷うことなく啓と一緒になるべきだけど。
愛する相手とじゃなければ、幸せを感じないと思うなら
それはもう、明日香にしかわからない。
席を立ったところで啓に呼び止められた。
「何?」
「なんだよ?あれ」
私の開いた合コンが啓は気に入らないらしい。
「何?って合コンよ。啓も約束通り呼んであげたじゃない」
「合コンって、俺以外の男が明日香にやたら話しかけてるんだけど」
「合コンだもの」
「女の子はほかに何人もいるだろうが」
「しょうがないじゃん。あの人たちは明日香が好みなんでしょ」
「っ!」
オシャレな間接照明の店内が程よいボリュームの音楽で
私たちの小声の会話がかき消される。
「啓、私の隣の子、啓の事狙ってるんだよ。気が付いてるでしょ」
「・・・・」
「明日香に一途なのもいいけど。他に目を向けるのもいいんじゃない?」
「・・・・」
「そもそも、なんで啓は明日香にきちんと自分の気持ちを言わないのよ」
この言葉がどれだけ大きなお世話か、私が1番よく知ってる。
「私は明日香にも幸せになってほしいけど、啓にも幸せになってほしいんだよ」
「・・・・」
何が幸せかなんて。
その人じゃなければ分からない。
愛されることが女の幸せなら、
明日香は迷うことなく啓と一緒になるべきだけど。
愛する相手とじゃなければ、幸せを感じないと思うなら
それはもう、明日香にしかわからない。