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オール・ユー・ヌード・イズ・ラブ
第1章 マジかよ!
放課後の教室。掃除の時間。
班の他の連中はサボって帰っちまって、仁美ちゃんと二人きり。
それはいつものパターンだったのだけれど、今日はそこからが少し違っていて。
俺たちの教室は一階にあって、窓のすぐ外の校庭に並んだ背の高い樹のせいで、午後になると部屋に入る陽が陰る。
だから、窓のすぐ傍に立って俺の名を呼んだ彼女の姿は、キラキラと光る部分とまだらに落ちた影の部分が重なっていた。
そのせいでどんな表情をしているのかはよくわからなかった。
でも、何故だかわからないけれど、そのとき彼女が作った唇の形だけはハッキリと目に焼き付いて……そういうことって、あるよね?
真面目で大人しい性格の西奈仁美。
そんなに派手な目鼻立ちじゃないんだけれど、肌がすごく白くていかにも女の子って感じ。その小さくて可愛らしい唇が、こう言ったんだ。
「あなたのこと……好きなの」
マジかよ!
次の瞬間、俺はベッドの上で目を覚ました。
そしてもっかい、マジかよ!