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いろごとプリズム
第7章 花見川の官能小説
週明け。教室での小暮との挨拶は、少しぎこちない。
「あれぇ?ねぇサーヤ、小暮くんと何かあったー?」
小暮推しの優奈が早速気付く。サーヤは事情をあれこれ説明した。
「うわぁぁ……!来たねとうとう……!いいね、いいじゃん!盛り上がるぅ~」
「もう、他人事だと思って楽しまないでよ……」
「だっていいじゃーん、モテ期到来だよ!どうするのサーヤ~!!」
「……もう、考えるのも疲れたよ……」
放課後、部活があるけれど、優奈は芹沢とのデートを優先した。サーヤは昨日の続きを書こうと一人で文芸部の部室に行く。
「高岡先輩、お疲れっす」
待ち受けていたのは花見川ひとりだ。嫌な予感がする……。
「あれぇ?今日は望月先輩は?」
「……デートだって」
「セックスか」
「いや、デートって言ってるでしょ!」
「ヤッてるに決まってるじゃないですか~ふふっ。ところで先輩、僕の新作読んで下さいよ」
「新作……?」
「この週末で書き上げました。高岡先輩にだけ読んでもらおうと思ってね」
渡された印刷用紙には、パッと見ただけでわかる卑猥な表現が並んでいた。タイトルは『桃色に熟れた純情』――。
「こ、これって……」
「そうです、僕の官能小説ですよ」
来た……、来てしまった。サーヤは焦った。
「高岡先輩に読んでもらうためだけに書いたんです。ちょうどいい、今日は二人きりなら……、僕の家に来て読みませんか?」
「何で花見川くんちに行く必要があるの!?」
「だって僕んち学校のすぐ側だし、こんな狭苦しい部室よりも……、あ、言ってませんでしたよね。僕の父親は小説家の藤堂京一、母親は女優の前川香緒理なんですよ」
「え、ええーーーっ!?」
藤堂京一は超有名小説家、前川香緒理は大御所舞台女優だ。
「信じられない……、藤堂さんの本、結構読んでるよ……すごいね花見川くんってサラブレッドだったんだ……」
「んー、まぁそうですけど、親の七光りとか好きじゃないんで……、自分の力で勝負してるつもりなんですけどね。まぁこうして女の子の気を引くのに使えるぐらいですかね。ってわけで先輩、藤堂京一の豪邸を見てみたくありませんか?」
「う、うん……どうしようかな」
「あれぇ?ねぇサーヤ、小暮くんと何かあったー?」
小暮推しの優奈が早速気付く。サーヤは事情をあれこれ説明した。
「うわぁぁ……!来たねとうとう……!いいね、いいじゃん!盛り上がるぅ~」
「もう、他人事だと思って楽しまないでよ……」
「だっていいじゃーん、モテ期到来だよ!どうするのサーヤ~!!」
「……もう、考えるのも疲れたよ……」
放課後、部活があるけれど、優奈は芹沢とのデートを優先した。サーヤは昨日の続きを書こうと一人で文芸部の部室に行く。
「高岡先輩、お疲れっす」
待ち受けていたのは花見川ひとりだ。嫌な予感がする……。
「あれぇ?今日は望月先輩は?」
「……デートだって」
「セックスか」
「いや、デートって言ってるでしょ!」
「ヤッてるに決まってるじゃないですか~ふふっ。ところで先輩、僕の新作読んで下さいよ」
「新作……?」
「この週末で書き上げました。高岡先輩にだけ読んでもらおうと思ってね」
渡された印刷用紙には、パッと見ただけでわかる卑猥な表現が並んでいた。タイトルは『桃色に熟れた純情』――。
「こ、これって……」
「そうです、僕の官能小説ですよ」
来た……、来てしまった。サーヤは焦った。
「高岡先輩に読んでもらうためだけに書いたんです。ちょうどいい、今日は二人きりなら……、僕の家に来て読みませんか?」
「何で花見川くんちに行く必要があるの!?」
「だって僕んち学校のすぐ側だし、こんな狭苦しい部室よりも……、あ、言ってませんでしたよね。僕の父親は小説家の藤堂京一、母親は女優の前川香緒理なんですよ」
「え、ええーーーっ!?」
藤堂京一は超有名小説家、前川香緒理は大御所舞台女優だ。
「信じられない……、藤堂さんの本、結構読んでるよ……すごいね花見川くんってサラブレッドだったんだ……」
「んー、まぁそうですけど、親の七光りとか好きじゃないんで……、自分の力で勝負してるつもりなんですけどね。まぁこうして女の子の気を引くのに使えるぐらいですかね。ってわけで先輩、藤堂京一の豪邸を見てみたくありませんか?」
「う、うん……どうしようかな」