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いろごとプリズム
第12章 ラブホで逃避行
神山家での出来事から一週間、サーヤは学校を休み、家に閉じこもっていた。あの日、同じ家の中であの情事を聞いていたかもしれない悠真からは、連絡がまったくない。もちろん自分からも連絡しづらい。このまま会わなくなってしまうのだろうか……、そう思うことで、サーヤは悠真の存在が自分の中でどれだけ大きかったかを思い知らされている。
自分は浅はかで、とんでもないことをしていた。そのバチが当たったんだ。電話で相談した友人の優奈には、むしろショウマがあのまま別れてくれたのは物わかりがいい方かもしれないぐらいだ、と言われた。ストーカーだっている世の中、弟に寝取られた現場に遭遇しても、最後には謝ってまでくれたショウマ……。それは彼がサーヤを心底好きでいてくれていることを表していた。そのことを思うと、サーヤの胸が痛んだ。
「で、いつまで引きこもりしてるつもりなのよ?小暮くんも花見川くんも心配してるよ」
優奈はそう言うけれど、その二人もサーヤの悩みの種でもある。
「うん……、どうしようかな……」
「とりあえず学校来てさ、小暮くんの彼女になりなよ!私はそれがおすすめだってずっと言ってるでしょ~~」
「ないない、それは、ない。今とてもそんな……」
小暮がどれだけ本気で想ってくれているかわかっている。だからこそ、中途半端に付き合ったりしちゃダメだ、とサーヤは思っているのだ。
「うーん、とにかく心配。ヘンな気起こさないでよね?」
「大丈夫だってば、そういうんじゃないから!」
実際サーヤは、こんなに気持ちが塞ぐことは初めてだった。悠真に連絡したい、でもそう思うのも申し訳ない……、そんな葛藤が日々押し寄せている。ふと、ボカロPである悠真「カミマP」の活動を、ネットで見てみようと思いついた。ルーナという歌い手の女性が、やたらと親しげにカミマPとやりとりしている。そしてカミマPは、サーヤに捧げる新曲のラブソング『ユニバーサル』について報告していた。
自分は浅はかで、とんでもないことをしていた。そのバチが当たったんだ。電話で相談した友人の優奈には、むしろショウマがあのまま別れてくれたのは物わかりがいい方かもしれないぐらいだ、と言われた。ストーカーだっている世の中、弟に寝取られた現場に遭遇しても、最後には謝ってまでくれたショウマ……。それは彼がサーヤを心底好きでいてくれていることを表していた。そのことを思うと、サーヤの胸が痛んだ。
「で、いつまで引きこもりしてるつもりなのよ?小暮くんも花見川くんも心配してるよ」
優奈はそう言うけれど、その二人もサーヤの悩みの種でもある。
「うん……、どうしようかな……」
「とりあえず学校来てさ、小暮くんの彼女になりなよ!私はそれがおすすめだってずっと言ってるでしょ~~」
「ないない、それは、ない。今とてもそんな……」
小暮がどれだけ本気で想ってくれているかわかっている。だからこそ、中途半端に付き合ったりしちゃダメだ、とサーヤは思っているのだ。
「うーん、とにかく心配。ヘンな気起こさないでよね?」
「大丈夫だってば、そういうんじゃないから!」
実際サーヤは、こんなに気持ちが塞ぐことは初めてだった。悠真に連絡したい、でもそう思うのも申し訳ない……、そんな葛藤が日々押し寄せている。ふと、ボカロPである悠真「カミマP」の活動を、ネットで見てみようと思いついた。ルーナという歌い手の女性が、やたらと親しげにカミマPとやりとりしている。そしてカミマPは、サーヤに捧げる新曲のラブソング『ユニバーサル』について報告していた。