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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第3章 LessonⅢ 悪意ある噂
「おはようございます」
一応先輩なので、佐枝には慇懃に頭を下げる。
「おはよう」
エレベーターは佐枝と二人きりだった。佐枝はつつっと寄ってきたかと思うと、輝に早口で告げた。
「用心した方が良いわよ? 社内中に妙な噂が立ってる」
「鈴木さん?」
輝が眼を見開くと、佐枝は肩を竦めた。
「あなたが私をどう思ってるかくらい想像はつくけど、私はあなたが嫌いじゃない。あなたは他の皆とは違うわ。誰もが他人を出し抜くことしか考えてないのに、あなたは違う。いつも真っすぐ前を向いて、他を寄せ付けない。そういうところが私には到底、真似できないし、凄いと思うの」
一応先輩なので、佐枝には慇懃に頭を下げる。
「おはよう」
エレベーターは佐枝と二人きりだった。佐枝はつつっと寄ってきたかと思うと、輝に早口で告げた。
「用心した方が良いわよ? 社内中に妙な噂が立ってる」
「鈴木さん?」
輝が眼を見開くと、佐枝は肩を竦めた。
「あなたが私をどう思ってるかくらい想像はつくけど、私はあなたが嫌いじゃない。あなたは他の皆とは違うわ。誰もが他人を出し抜くことしか考えてないのに、あなたは違う。いつも真っすぐ前を向いて、他を寄せ付けない。そういうところが私には到底、真似できないし、凄いと思うの」