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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第3章 LessonⅢ 悪意ある噂
「輝、忠告しておくけど、そういうことなら、人事から呼び出しを受ける前に、あなたの方から自分で説明をしておいた方が良いんじゃない? その写真館のカメラマンって人にも必要なら証人になって貰えば良いわけだし。そうしないと、酷い噂に更に尾ひれがついて噂だけが一人歩きしてしまう。そうなった時、困るのはあなたよ」
 心からの忠告はありがたかった。紘子の顔には、不安そうな表情が浮かんでいる。
「ありがと、そうね。考えてみるわ」
 礼を言い、その場はそれで終わりになった。始業ベルが鳴って三十分経過した頃、輝は総務部長から呼ばれた。いよいよおいでなすったかと警戒しながら行くと、意に反して、部長からは資料を一部、受付にまで持っていって貰いたいというものだった。
「判りました」
 お辞儀して踵を返そうとした背中に、部長の声が追いかけてくる。
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