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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
そう、自分はいつもマッチ売りの女の子やネロ少年のように孤独だった。四つ違いの姉と比較され、憐れみと蔑みの入り混じった視線にされされてきたのだ。
幼い頃、可哀想な少女やネロ少年の話を読みながら、どれだけの涙を自分の身の上に重ねて流したことだろう。自分もいつか、誰からも見向きもされず、物語の憐れな主人公たちのように孤独な中に死んでゆくのだと思い込んでいた、あの日。
「でも、吉瀬さんに出逢ってから、何かが変わってきたの。由佳里さんのしてくれたメークと素敵なドレスで、醜いアヒルの子だった私がたとえひとときでも綺麗な白鳥に変身できたもの。とても嬉しかったし幸せだった。それだけじゃない、吉瀬さんに出逢ってから、私、ずっと幸せだった。いつも吉瀬さんのことを考えてたら、空っぽだった心が温かくなってくるの」
幼い頃、可哀想な少女やネロ少年の話を読みながら、どれだけの涙を自分の身の上に重ねて流したことだろう。自分もいつか、誰からも見向きもされず、物語の憐れな主人公たちのように孤独な中に死んでゆくのだと思い込んでいた、あの日。
「でも、吉瀬さんに出逢ってから、何かが変わってきたの。由佳里さんのしてくれたメークと素敵なドレスで、醜いアヒルの子だった私がたとえひとときでも綺麗な白鳥に変身できたもの。とても嬉しかったし幸せだった。それだけじゃない、吉瀬さんに出逢ってから、私、ずっと幸せだった。いつも吉瀬さんのことを考えてたら、空っぽだった心が温かくなってくるの」