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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
輝が言葉を止める。迷うように睫が震え、視線が伏せられた。
「まるで心の奥に―ここに」
自らの胸を指して続ける。
「ここに大きな塊がつかえているような気がして。私の心の中にはぽっかりと大きな穴が空いていて、冷たい塊が詰まって息苦しくて堪らないの。見た目で美人のお姉ちゃんに勝てないのなら、せめて世界をまたにかけて活躍するピアニストになろうと思って、ずっと頑張ってきたのに―駄目だって、君はどんなに頑張っても見込みはないって言われたのよ」
言いながら拳で胸を叩き続ける手を吉瀬が横からそっと抑えた。
「止めるんだ」
「まるで心の奥に―ここに」
自らの胸を指して続ける。
「ここに大きな塊がつかえているような気がして。私の心の中にはぽっかりと大きな穴が空いていて、冷たい塊が詰まって息苦しくて堪らないの。見た目で美人のお姉ちゃんに勝てないのなら、せめて世界をまたにかけて活躍するピアニストになろうと思って、ずっと頑張ってきたのに―駄目だって、君はどんなに頑張っても見込みはないって言われたのよ」
言いながら拳で胸を叩き続ける手を吉瀬が横からそっと抑えた。
「止めるんだ」