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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
「そう、聡明の聡と書いて、あきら。何で、こんな読みにくい名前にしたのかって一度、親に訊いたことがあったんだ。そうしたら、他人とは違う、どこにもなさそうな名前にしてやりたかったと言われた。そんなの、子どもにとってはえらい迷惑な話だけなんだけど。学校に通うようになってから今まで、俺の名前を漢字で書いて、まともに読めたヤツは殆どいない。大抵は、さとしとか読むから」
 吉瀬は一旦言葉を切り、面白そうに笑った。
「そこからが面白い偶然だ。あきらという名前は早々と決まったが、肝心の字が決まらない。〝明〟なんて書けば、すぐに読まれてしまうから、誰にも読めないような字を親は必死で考えたが、どうにも思いつかず、辞書を引いてみたら、色々と字が出てきて、その中から〝聡〟を選んだって教えられた。その時、その候補の中に〝輝く〟の輝があったって話も聞いたんだ」
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