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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
現に、この瞬間も心臓は更に速くなり、体温は急上昇している。これは、いささか意識しすぎだろうか。
忍ぶれど色にいでにけり我が恋は
ものや思うと 人の問うまで
突如として百人一種の平兼盛の歌が浮かんだ。歌の意味は、あの女を好きになってしまったけれど、この想いは秘めておかなければならないから、懸命に隠している。でも、私の様子があまりにおかしいので、人が一体、どうしたのか、誰かを想っているのかと訊ねるくらい、私の恋心は表に出てしまっているらしい。
と、まあ、こんな感じの意味だ。
輝が一人、蒼くなったり紅くなったりしている側で、聡は優しい瞳で彼女を見ている。
それで、余計に輝の頬は熱くなり、心臓は速く脈打ち出すことになってしまう。
忍ぶれど色にいでにけり我が恋は
ものや思うと 人の問うまで
突如として百人一種の平兼盛の歌が浮かんだ。歌の意味は、あの女を好きになってしまったけれど、この想いは秘めておかなければならないから、懸命に隠している。でも、私の様子があまりにおかしいので、人が一体、どうしたのか、誰かを想っているのかと訊ねるくらい、私の恋心は表に出てしまっているらしい。
と、まあ、こんな感じの意味だ。
輝が一人、蒼くなったり紅くなったりしている側で、聡は優しい瞳で彼女を見ている。
それで、余計に輝の頬は熱くなり、心臓は速く脈打ち出すことになってしまう。