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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
聡が破顔した。その横顔には先刻まで漂っていた悲愴感のようなものはない。そのことに輝は安堵する。温かな気持ちが全身にひろがってゆく。
「最初ここに飛び込んできたときは、雨があまりにも冷たくて、そのまま凍死するかと思ったわ」
今なら、こんな軽口をきける。
「そうなっても仕方なかったんだぞ」
ふいに肩に彼の手が回され、強い力で引き寄せられた。そのまま頭を聡の肩に預ける。
この男の温もりは、どうして私をいつも落ち着かなくさせるんだろう。その癖、どんな場所よりもこの男の傍が心地よい。
ずっと、ずっと、彼の側にいたい。この温もりに抱かれて、感じていたい。優しくて穏やかな笑顔を見ていたい。
聡が包み込むような優しさだけでなく、意外に傷つきやすい脆い面をさらけ出したことで、輝の彼への想いは更にいや増していた。
「最初ここに飛び込んできたときは、雨があまりにも冷たくて、そのまま凍死するかと思ったわ」
今なら、こんな軽口をきける。
「そうなっても仕方なかったんだぞ」
ふいに肩に彼の手が回され、強い力で引き寄せられた。そのまま頭を聡の肩に預ける。
この男の温もりは、どうして私をいつも落ち着かなくさせるんだろう。その癖、どんな場所よりもこの男の傍が心地よい。
ずっと、ずっと、彼の側にいたい。この温もりに抱かれて、感じていたい。優しくて穏やかな笑顔を見ていたい。
聡が包み込むような優しさだけでなく、意外に傷つきやすい脆い面をさらけ出したことで、輝の彼への想いは更にいや増していた。