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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
「ずっとこうしていたいけれど、このままでは流石に二人とも冗談でなく凍死してしまう。そろそろ行こう」
やがて聡の言葉で、その永遠に続くかと思われた幸せな時間は終わりを告げた。
聡にダウンコートを返そうしても、彼はどうしても首を縦に振らなかった。こういうところは、穏やかそうな外見に反して、存外に頑固そうだ。なので、そのままコートを借りていくことにした。
教会を出る間際、輝はつと後ろを振り返った。灯りもないガランとした聖堂内では、キリスト像が優しさと哀しみを湛えたまなざしで何かを見つめている。
「また今度、ここに来たいわ」
「ああ、また一緒に来よう」
聡が頷き、輝は彼に肩を抱かれるようにして外に出た。扉が軋んだ音を立てて背後で閉まった瞬間、輝は声を上げた。
やがて聡の言葉で、その永遠に続くかと思われた幸せな時間は終わりを告げた。
聡にダウンコートを返そうしても、彼はどうしても首を縦に振らなかった。こういうところは、穏やかそうな外見に反して、存外に頑固そうだ。なので、そのままコートを借りていくことにした。
教会を出る間際、輝はつと後ろを振り返った。灯りもないガランとした聖堂内では、キリスト像が優しさと哀しみを湛えたまなざしで何かを見つめている。
「また今度、ここに来たいわ」
「ああ、また一緒に来よう」
聡が頷き、輝は彼に肩を抱かれるようにして外に出た。扉が軋んだ音を立てて背後で閉まった瞬間、輝は声を上げた。