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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第5章 LessonⅤ キャッツ・アイにて~孤独なピアノ~
「止めておきましょうよ。折角愉しみにきたのに、何も無理をする必要はないわ」
「君、笑ったな。君まであの子たちと同じで、俺をバカにするのか? よし、ここは是が非でも男の意地を見せてやる」
 一人でジェットコースターの方に向かっていくのに、輝は呆れて物も言えない。
 たかだかジェットコースターに対して〝男の意地〟も何もあっものではないと思うが、聡にしてみれば、そうでもないようだ。
 だが、運命の女神は聡にか輝にか判らないが、味方してくれた。
「申し訳ありませんが、ジェットコースターの運転は定時で終わりなんですよ」
 係員が心底済まなさそうに言っているのが少し離れた場所にいる輝にも見えた。
「仕方ないわね」
 輝はまだむくれている聡を引っ張るようにして、観覧車の方に向かった。
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