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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第1章 LessonⅠ 憂鬱な夜には
一体、物心ついたときから、どれだけの人にそう言われ、或いは、そんな眼で見られてきたことだろう。もちろん、常識ある大人であれば、あからさまにそんなことを口にしはしない。しかし、四つ違いの姉と比べて、輝はいつも姉の引き立て役に徹する側だった。
―可哀想に、お姉ちゃんはあんなに綺麗で可愛いのに、輝ちゃんは、どうして、あんな風なのかしらね。
誰もがそういう同情的な視線をくれた。
美人で立ち回りも上手い姉は短大を卒業してすぐに結婚した。相手は学生時代から交際した歯科医師の卵。今ではもう立派な医者となり、開業している。
ある時期まで、輝は一応は美しくなるための努力はしていた。癖のある猫っ毛は美容院でストレートパーマをかけ、メーク教室にも通ってみたりもした。それはむろん、あの敦也にチョコレートを贈った日までのことだ。
―可哀想に、お姉ちゃんはあんなに綺麗で可愛いのに、輝ちゃんは、どうして、あんな風なのかしらね。
誰もがそういう同情的な視線をくれた。
美人で立ち回りも上手い姉は短大を卒業してすぐに結婚した。相手は学生時代から交際した歯科医師の卵。今ではもう立派な医者となり、開業している。
ある時期まで、輝は一応は美しくなるための努力はしていた。癖のある猫っ毛は美容院でストレートパーマをかけ、メーク教室にも通ってみたりもした。それはむろん、あの敦也にチョコレートを贈った日までのことだ。