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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第2章 LessonⅡ 心ときめく記念日
由佳里は少し離れた場所から、撮影の邪魔にならないように見学していた。同じ背景でポーズを変えて何枚も撮ってから、今度はスクリーンが変わった。今度は、どこかのお城の大階段を彷彿とさせるような風景である。緩やかにうねった大階段には緋色の絨毯が敷き詰められ、天井にはまばゆいシャンデリアが煌めいている。会場の大広間では舞踏会でも行われているかのような趣があった。
たった一枚でも、物語を感じさせるような背景である。その新しい背景で撮影する前に、由佳里が一度、輝の全身をチェックして化粧直しや髪の乱れを整えた。それから次の撮影に入る。
再びスタジオは水を打ったような静寂に満たされ、シャッター音だけが響き渡った。今回は時々、オーナーが冗談を飛ばし、輝を笑わせた。
「澄ました表情はもう十分撮りましたから、今度は笑顔で行きましょう」
たった一枚でも、物語を感じさせるような背景である。その新しい背景で撮影する前に、由佳里が一度、輝の全身をチェックして化粧直しや髪の乱れを整えた。それから次の撮影に入る。
再びスタジオは水を打ったような静寂に満たされ、シャッター音だけが響き渡った。今回は時々、オーナーが冗談を飛ばし、輝を笑わせた。
「澄ました表情はもう十分撮りましたから、今度は笑顔で行きましょう」