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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第1章 LessonⅠ 憂鬱な夜には
 天然パーマの縮れ毛はどうやっても真っすぐにはなってくれないし、生まれつき狐のようにつり上がった細い眼は大きくはならないし、薄い唇は冷たくて意地悪な女という印象を与えてしまう。整形でもしない限りは、この生まれもった顔を変えるのは無理だと悟ったのである。
 それなのに、両親は何をとち狂ったのか、こんな自分に〝輝〟なんて不似合いな名前をつけてしまった。これも一つの自分の大きな不幸に他ならない。両親は何でも姓名判断で子どもの名前は一文字が良いとアドバイスされたらしい。姉は〝奏(かなで)〟、妹の自分は〝輝〟。
 大抵の人は自分の名前を知ると、まず顔をまじまじと見つめる。それから、〝あ〟と小さな声を上げ、〝ああ、とても良い名前だね〟と。その表情には何とも形容のしがたいものがあり、明らかに〝名前と顔が合致していない〟と書かれていた。しかし、そんな反応にももう慣れっこになってしまった。
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