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光 “I can see your halo.”
第1章 別れと始まり
「でも、まぁ、ここで涙の一つも出てこないってところが"かわいくない"し、"一人でも大丈夫"だと思われるところなんでしょうね…」
握りしめたグラスの中のビールを飲み干した。
「実際、男の人の前で泣いたことなんて今まで一度もないですし…」
「…は?」
「っていうか、泣かせてもくれないし、むしろお前は泣かないよなって思われてると余計に泣けないですよね。」
「お前、我慢するタイプだからな。」
「えっ?」
「仕事でも。あんまり弱音を吐かないと言うか、弱味を見せないと言うか。きっと、プライベートでもそうなんだろうな。」
またしても、一方的に話続けていたところに、突然口を開かれて、私はポカンとした。
「我慢するから聞き分けがいいように思われて、男にとっては好都合なんだよ。」
「……こう…つ、ごう…」
なんか…ものすごく失礼で、でも、ものすごく的を射た意見な気がする。
"好都合"という言葉が頭の中をぐるぐる回って、空しさを煽り、私はそのまま黙り込んだ。
「男にも弱味を見せたくないんだろ。お前、自制心強すぎ。逆に尊敬するわ。」
ほら、強いとか尊敬とか言われたらまた泣けない。
滝本さんも結局強い女だと思っているんだろうな。
「なるほど…ちょっとつまみ食いしてやろうと思っていただけなのに、意外に聞き分けがいいからこのままでも行けるかなって思われてたって事ですね。」
好都合という言葉が頭から離れない。
二番目の女にちょうどいいと思われていたなんて。
握りしめたグラスの中のビールを飲み干した。
「実際、男の人の前で泣いたことなんて今まで一度もないですし…」
「…は?」
「っていうか、泣かせてもくれないし、むしろお前は泣かないよなって思われてると余計に泣けないですよね。」
「お前、我慢するタイプだからな。」
「えっ?」
「仕事でも。あんまり弱音を吐かないと言うか、弱味を見せないと言うか。きっと、プライベートでもそうなんだろうな。」
またしても、一方的に話続けていたところに、突然口を開かれて、私はポカンとした。
「我慢するから聞き分けがいいように思われて、男にとっては好都合なんだよ。」
「……こう…つ、ごう…」
なんか…ものすごく失礼で、でも、ものすごく的を射た意見な気がする。
"好都合"という言葉が頭の中をぐるぐる回って、空しさを煽り、私はそのまま黙り込んだ。
「男にも弱味を見せたくないんだろ。お前、自制心強すぎ。逆に尊敬するわ。」
ほら、強いとか尊敬とか言われたらまた泣けない。
滝本さんも結局強い女だと思っているんだろうな。
「なるほど…ちょっとつまみ食いしてやろうと思っていただけなのに、意外に聞き分けがいいからこのままでも行けるかなって思われてたって事ですね。」
好都合という言葉が頭から離れない。
二番目の女にちょうどいいと思われていたなんて。