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光 “I can see your halo.”
第1章 別れと始まり
顔を机で隠したまま、ヒックヒックと嗚咽が止まるまで泣き続けた。

「落ち着いた?」

「…はい。ただ、顔を上げるタイミングが分かりません。というか…冷静になったら、この状況が恥ずかしくて、顔を上げられません。」

「ははは、じゃあ、もうパエリヤ食わないの?そのビールは?」

「あっ、はい。食べま…」

はっ!しまった。
突拍子もない質問に思わず反応してしまった。
目の前の滝本さんがクスクス笑っている。

「さっきの顔より、今のその顔の方が、俺は数倍かわいいと思うぞ?」

「う、うさんくさい…ん、です…よ。」

「お前っ、ひっでぇな。ふっ、…まぁ、それより食え。」

すっかり冷たくなったパエリヤの鉄板を差し出されて、スプーンを握る。
久々に外で泣いたから気分的にはまだまだ落ち着かないし、頭がガンガンする。
パエリヤを口に運ぶもさっきよりも味が分からない。
一口食べて手が止まった。
もともと量が多いんだけれど…

「ははっ、もう、腹一杯?」

「…うっ。ボリュームがありすぎて…でも、食べます…」

頼んでおいて残すのは申し訳ない。
スプーンを動かしてパエリヤをすくっていると、鉄板ごと持ち上げられた。

「無理すんな。俺、食べていい?」

「え…あ、はい。でも、食べかけ…」

「いいよ、気にしない。」

そう言って、パクパクとパエリヤを食べ始めた。
食べ残しを先輩に押し付けて、結局申し訳ない気持ちになってしまった。
そして、滝本さんがパエリヤを完食した後、お店を出た。
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