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光 “I can see your halo.”
第1章 別れと始まり
「どうした?」

「あ…いえ、ひどい顔だな、と…」

「そう?強がってる笑顔よりも全然いいって言っただろ?」

「だっ…から、うさんく…」

「あー、はいはい。じゃあ、うさんくさくなく、そう言ってくれるヤツを見つけろ。」

簡単そうに言ってくれますがね…

「そんな人、いない…です、もん。」

「あっはっはっ、じゃあ、俺しかいないじゃん。」

「…笑えないです……」

「ふふっ、なんだよ。笑えよ。」

隣でクスクス笑う滝本さんを睨んだ。
この人、どこまでが冗談で、どこまでが本気なのか、よく分からない。
ヨーロッパ育ちのフェミニストだからな。
どの女性にも甘いんだろうな。

「笑った顔が一番かわいいぞ?」

「それ…セクハラのギリギリラインですからね?冗談の通じない子もいるんですから、気を付けた方がいいですよ。」

「はぁ…お前、冗談って…。」

滝本さんがピクッと一瞬、眉間にシワを寄せてから、ため息をついた。

「泣くのも体力がいるんですね。冷静になったら、お腹空いてきました。」

「あっはっはっ。だから、パエリヤ食べとけって言ったのに。」

ですよね…。
でも、あの時は外で泣いたという衝撃で少しテンパッていたし、ちょうど酔いが回ってきていたところだったから。

「コンビニ寄ってもらうか?」

滝本さんの問いに『大丈夫』と答えたけれど、結局家に着く直前のコンビニに寄ってくれた。
私の家に着くと、滝本さんは部屋の前まで送ってくれて、その後は待たせていたタクシーでそのまま帰宅したようだった。
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