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遅咲きのタンポポ
第4章 友達⁉︎
「それをくれたのがご両親だとしても、今沙織ちゃんに彼氏や好きな人はいる?」

「…彼氏は居ません」

「片思い中?」

「それ、答えないといけませんか?」

好きな人なんか居ない。
でも、それをすぐ晒してしまうのは、
寂しい女と思われそうで、何だか悔しかった。

「じゃあ、俺、彼氏に立候補していい?
最初は友達からでいいから。こうやって食事とか、お茶とかして貰えますか?」

いきなり付き合ってって言われたら、答えはNOだ。
だって私達はお互いの事をまだ何にも知らない。
知る為に付き合うっていうのも、何だか違う気がする。
だけど、友達からと言われたら…

武井さんみたいなハイレベルな男性との出会いを自分で断ち切ってしまうのは、少し残念な気がした。

「武井さんには、彼女は居ないんですか?」

武井さんは驚いたように目を見開いて、

「いたら女のコにこんな事言わないよ。
もし、本命がいて、遊び目的の二番目が欲しかったんだとしたら、こんな間怠っこしい事はしない。
遊びは遊びで割り切って、ヤることヤるだけだよ?」

爽やかな顔で何てこと言うんだろう、この人…

だけど、それは本当のことなんだろう。つまり、本気だ、ってことだ。

「じゃあ…友達、から…」

「宜しく。」

武井さんはテーブル越しに手を差し出してきて、
何となく握手をした。

そのあと、私達はカレーを食べて、街をブラブラして、夕方別れた。
メールアドレスと、LINEのアカウントも交換して。

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