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遅咲きのタンポポ
第8章 再会
「もし会えなくても、いいの。
帰ってきたなら、連絡つくんだし。
それに、私と武井さんの出会い自体、奇跡みたいなものだもん。
レストランのエントランスで屈んだところ蹴っ飛ばされて転けてヒール折るなんてマンガでもなくない?」

クスクス笑いながら言うと、
お姉ちゃんも困ったように笑った。

「まぁ、それがハイレベルなイケメンで?
そのお詫びからお付き合いに発展、ってなると少女マンガみたいよね。
でも、何もなかったんでしょう?」

なくはない、けど、あの、キスのくだりとか、
告白のくだりとかは、いくら姉妹といえど、
詳細は差し控えたい。
恥ずかしくて死ねる。

「何?なんかある事はあったの?
でも付き合ってはいない?信用できるのそんな人」

お姉ちゃんが眉を顰める。

きっと、本気で心配してくれてる。

でも、武井さんが誠実な人だってことは、
揺るぎない事実だ。

私は無言で頷いた。

「ま、でも、姉の贔屓目なしに、沙織キレイになったもの。それがその人を想っての事なら、姉として、上手く行くことを祈ってる。」

お姉ちゃんのエールに、目頭が熱くなる。

やっぱり持つべきものは仲のいい姉妹だった。

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