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遅咲きのタンポポ
第10章 格差と温度差
車は途中で湾岸線を降り、梅田に着いた。

駐車場に車が停まる。
お姫様抱っこで私を車から降ろそうとする武井さんを必死で制し、なんとか腕を貸してもらった。

梶井さんが苦笑を隠せずにいる。

「梶井さんは?行かないの?」

「私はこのままここでお待ちしております。仕事の電話もありますし、ごゆっくりどうぞ。」

百貨店の中は年末ということもあり、すごい混雑だった。

婦人靴のフロアで、武井さんは私が普段買わないようなハイブランドの靴ばかりチェックする。

「これなんか、今日の服に似合いそうじゃない?」

って一足のパンプスを指差してるけど!
ルブタンの靴なんか履いたことないわ!
桁が一つ多いから!
止めてぇぇぇ…

これ以上振ったら取れるんじゃないかってくらいブンブンと首を振る。

武井さんは苦笑して、

「男に買わせる時は、自分で買えないものをねだるもんだよ?」

それはお金持ちの常識なのかしら⁉︎
ド庶民には通用しないわよ‼︎

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