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遅咲きのタンポポ
第10章 格差と温度差
結局、足に合うと言い張ってロペのパンプスを買ってもらった。

武井さんは少々納得がいかなさそうで、

「クリスマスプレゼントだって言ってるのに…
その靴が本当に気にいったのならそれでいいよ。
でも、モノの質と価格って、完全にイコールではないけど、やっぱり無関係でもないと思うんだ。
ブランドって、高いだけじゃなく、やっぱり長年信頼されてる証でもあると思う。名の通ったブランドほど、看板背負ってる以上、クオリティーの低いものは作らないからね。」

「武井さんの仰ることもわかります。でも、人にはやっぱり分相応ってものがあると思うんです。私にしたら、このロぺの靴だって十分なブランドです。もちろん大切にします。
ルブタンだけじゃなく、武井さんが普段見てらっしゃるハイブランドは、どうしたって私には不相応です。
きっと、武井さんは、いままでそんなハイブランドを着こなす人たちに囲まれて過ごしてきたんでしょう?
だから毛色の違う私が気になるんですよね?
靴の話だけじゃなく、この先、きっと嫌でも目に入るでしょう。お互いのことを知れば知るほど、私たちは住む世界が違うって、見せつけらせると思います。
なんか、私一人、舞い上がってバカみたい…」

「ごめん…気を悪くしたなら謝るよ…俺は、そういう君だから好きになったのに…住む世界なんて、そんな寂しい事言わないで。毛色が違うなんて思ってないよ。」


そう言う武井さんが、あんまりしょんぼりしてるから、私も言い過ぎたと後悔した。
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