パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第8章 波乱と別れ

次の日、悠里と浅井は、田坂の墓参りに来ていた。
「悠里、大丈夫か？」
「うん。」
悠里は、心なしか、吹っ切れた様な顔をして、浅井を見つめていた。
田坂の墓に、花を供えると、線香を焚いた。
悠里は、ニッコリと笑うと、墓石の前にしゃがんだ。
少し後ろに立って、浅井は手を合わせた。
「……ヒロくん。ありがとう。」
そう言って、悠里は優しく微笑んだ。
「さ、浅井、行こうか？」
「もう、良いのか？」
「ん、話は終わったから。」
優しく微笑むと、悠里は浅井の手を取った。
「悠里？」
「デートしよ？」
浅井は、目を丸くした。
「え？あの……悠里？」
「デート、ダメ？」
浅井を見上げてくる。
「ダメじゃないよ。その…嬉しいかも。」
「かも？」
「いや、嬉しいです。」
そう言って、浅井はニッコリと笑った。


「映画、久しぶりだった。」
「俺も、最近見てなかったなぁ。」
悠里は、ニッコリと笑って浅井の手を取った。
「この近くに、新しくショッピングモールが出来たの？そこ、行かない？」
「ああ、良いよ。」
浅井の腕を取ると、悠里は歩き出した。
浅井は、少し戸惑っていた。
悠里……無理してる？
「悠里……あの……」
「ん？」
悠里は、優しく微笑んで視線を向ける。
「いや、何でもない。」
「浅井、変なの。」
クスクス笑いながら、浅井と腕を組んだ。
「さ、行きましょうか？」
「はいはい。お伴しますよ。」
浅井は、ニッコリと笑った。
気にしてもしょうがないか。
今は、楽しもう。
そう、心で言い聞かせると、浅井は悠理とショッピングモールに向かった。
ウインドーショッピングをしながら、悠里と2人で色々な店を見た。
「あ、ねえ、ちょっと待ってて？」
「何？」
悠里は、ニコニコしながら、店に入っていく。店から出てくると、浅井に紙袋を渡した。
「何買ったの？」
「これ。」
そう言って、悠里の指からぶら下がった物は、可愛い革製のクローバーの着いたキーホルダーだった。
「色違いで、浅井にも買ったから。」
「へぇ、良いじゃん。」
悠里は、キーホルダーを鞄の金具に付けると、浅井に見せた。
「じゃ、俺は財布に付ける。」
ポケットから、財布を取り出すと、悠里からもらったキーホルダーを付けた。
「お揃いだね？」
悠里が嬉しそうに笑う。
「なんか、照れるな。」
「浅井、顔真っ赤だよぉ。」
「からかうなよ？」