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素直になれなくて
第2章 同期の気持ち
初めて、田坂くんと会った時、ドキっとした。
「滝島…くん?」
でも、紹介された名前は、別人で…後輩で…滝島くんじゃなかった。

「それもあって、流されちゃったのかな…」
悠里は力なく呟く。
「告白された時も、どうしても重なっちゃって。」
怖かった。田坂くんを通して、滝島を見ている自分が居るのがわかったから。
浅井は、黙って悠里の話を聞いていた。
「死んだ奴は…戻って来ないだろう……」
悠里は、儚げに微笑んだ。
「死に目に、会ってないんだ。葬儀にも行ってない。」
「彼が死んだ事の実感がないまま…」
悠里は突然テーブルに突っ伏した。
「自分で自分が嫌になる……」
もう何年、期待して待ってるんだろう……
「馬鹿だ…私……」
浅井は、悠里の頭をポンと撫でた。
「……大丈夫だよ……」
悠里は、浅井の優しさに涙が出そうになった。
「……ねえ、浅井……」
「ん?」
「好きな人、出来た?」
「出来ないよ。」
「なんで?経理の陽子ちゃんも、受付の原ちゃんも可愛いじゃん。」
なんで、お前が俺に告った奴の名前知ってるんだよ…
「俺だって、お前と同じだよ。」
悠里が振り向いてくれるのを、期待して待ってる。
「……振られたのにな……」
「辛い……」
「……」
「浅井の優しさが……辛いよ……」
「ごめん……」
悠里は、顔を上げた。
「謝らないで。」
悠里の潤んだ瞳から、涙が溢れ落ちた。
浅井は、悠里の頭を撫でながら言った。
「奴の死と、向き合う覚悟はあるのか……?」
悠里は、戸惑っていた。
「……」
「……ごめん、変な事言ったな…」
「浅井……ごめんね……」
「悠里も謝るなよ。」
浅井は、悠里の頭を優しく撫でた。
「俺は、今の関係、嫌いじゃないから。」
そう言うと、食べ終わった食器を片付け、悠里に声を掛けた。
「送ってくよ。」
「……ありがと…着替えてくるね。」
悠里は、立ち上がると、バスルームに入って行った。
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