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素直になれなくて
第3章 田坂くん
「お前なぁ!」
浅井は田坂の胸ぐらを掴んだ。
「すみません……」
ちょっと、無理強いし過ぎました。
「もう少し、見守るとか出来ないのか?お前は。」
医務室で、横たわる悠里の前で、2人は言い合いをしていた。
勤務医に、静かにする様に諭され、2人とも黙った。
「ん……」
悠里がゆっくりと目を開ける。
「悠里?」
「悠里先輩?」
悠里はガバッと起き上がる。
「悠里先輩…大丈夫ですか?」
田坂は心配そうに覗きこむ。
「大丈夫か?悠里……」
「あ。夢…」
悠里は、ため息を吐いた。
「ごめん、もう大丈夫だから。」
「あ、ちょっと待って。」
勤務医の先生が、血圧を測って脈を取った。
「大丈夫そうね。」
「ご迷惑、お掛けしました。」
スッと立ち上がると、フラッとよろけた。
「悠里先輩…」
田坂はとっさに腕を掴み悠里を支える。
「ありがとう。ごめんね……ちょっと1人にして。」
そう言うと、悠里は医務室を後にした。
「はあーーっ」
悠里は屋上で、真っ青な空を見上げ、深呼吸をしていた。
取り乱した。
…側にいて、悠里…
儚げに笑う、滝島が思い浮かぶ。
久々に滝島の夢を見た。元気な頃の滝島の夢。
バスケットボールを片手に、得意げに回す。
軽く投げただけなのに、何故かゴールに吸い込まれていく。
「何で?何で入るの?」
悠里は滝島に聞く。
「魔法だよ?」
「また、そんな事言って!」
優しく笑う。悠里を愛おしそうに見つめて。
その瞳が好き…筋肉が程よく付いた腕も。悠里より広い背中も。全てが悠里を魅了した。
高2の夏、知り合いに頼まれて、2人で海の家でアルバイトをした。
バイトの最終日、悠里は滝島の家に誘われた。
「今日、うちの親、いないんだ。」
悠里は言葉の意味を悟る。顔が真っ赤になった。
「悠里、顔真っ赤だよ?何、想像したの?」
「もう、知らない!」
怒る悠里を後ろから抱きしめる。
「ごめん。オレはそのつもりだったよ?」
滝島の部屋に行くと、すぐさま押し倒される。
甘く蕩けるようなキスを滝島からされると、悠里は自分の中がキュとなるのを感じた。
「悠里………」
余裕なく、切なげに名前を呼ばれるたびに、悠里は涙が出た。
「悠里、した事ある?」
そう聞かれて、悠里は首を振った。
「優しくするね…」
そう言って、滝島はゆっくりと悠里の中に……
その日、初めて滝島と悠里は結ばれた……
浅井は田坂の胸ぐらを掴んだ。
「すみません……」
ちょっと、無理強いし過ぎました。
「もう少し、見守るとか出来ないのか?お前は。」
医務室で、横たわる悠里の前で、2人は言い合いをしていた。
勤務医に、静かにする様に諭され、2人とも黙った。
「ん……」
悠里がゆっくりと目を開ける。
「悠里?」
「悠里先輩?」
悠里はガバッと起き上がる。
「悠里先輩…大丈夫ですか?」
田坂は心配そうに覗きこむ。
「大丈夫か?悠里……」
「あ。夢…」
悠里は、ため息を吐いた。
「ごめん、もう大丈夫だから。」
「あ、ちょっと待って。」
勤務医の先生が、血圧を測って脈を取った。
「大丈夫そうね。」
「ご迷惑、お掛けしました。」
スッと立ち上がると、フラッとよろけた。
「悠里先輩…」
田坂はとっさに腕を掴み悠里を支える。
「ありがとう。ごめんね……ちょっと1人にして。」
そう言うと、悠里は医務室を後にした。
「はあーーっ」
悠里は屋上で、真っ青な空を見上げ、深呼吸をしていた。
取り乱した。
…側にいて、悠里…
儚げに笑う、滝島が思い浮かぶ。
久々に滝島の夢を見た。元気な頃の滝島の夢。
バスケットボールを片手に、得意げに回す。
軽く投げただけなのに、何故かゴールに吸い込まれていく。
「何で?何で入るの?」
悠里は滝島に聞く。
「魔法だよ?」
「また、そんな事言って!」
優しく笑う。悠里を愛おしそうに見つめて。
その瞳が好き…筋肉が程よく付いた腕も。悠里より広い背中も。全てが悠里を魅了した。
高2の夏、知り合いに頼まれて、2人で海の家でアルバイトをした。
バイトの最終日、悠里は滝島の家に誘われた。
「今日、うちの親、いないんだ。」
悠里は言葉の意味を悟る。顔が真っ赤になった。
「悠里、顔真っ赤だよ?何、想像したの?」
「もう、知らない!」
怒る悠里を後ろから抱きしめる。
「ごめん。オレはそのつもりだったよ?」
滝島の部屋に行くと、すぐさま押し倒される。
甘く蕩けるようなキスを滝島からされると、悠里は自分の中がキュとなるのを感じた。
「悠里………」
余裕なく、切なげに名前を呼ばれるたびに、悠里は涙が出た。
「悠里、した事ある?」
そう聞かれて、悠里は首を振った。
「優しくするね…」
そう言って、滝島はゆっくりと悠里の中に……
その日、初めて滝島と悠里は結ばれた……